ラファ先生は栞にときめきまくる
しおりに対してものすごくいい反応を見せる先生。
ハードカバーのつるつるしたしおりをめちゃくちゃ口に入れたがっていて、ものすごく熟読している感じになっている先生。
ということで。
何故か、ラファ先生が西加奈子さんをものすごく気に入り、
普段はそうでもないのに栞をいらいまくっていのでございます。
猫にとって、本を読むいうことは、栞をいらうということなのかもしれませぬ。
西さんのご本は、直木賞の『サラバ!』と、上の文庫は『漁港の肉子ちゃん』なのですが、サラバ!に比べ、肉子ちゃんの完成度の高さといったら、本当にいいお酒を飲んでいるような気持ちで(しかもめっちゃ楽しい酒)読みました。
肉子ちゃんは、天使だと思う。
西さん未体験のかたは、サラバ!がちょっと長いなと感じたら是非とも肉子ちゃんのステキっ!さを体験していただければと思います。
そして、サラバ!の凄みというのは、人にはみなサラバがあるべきだろうという、強い強い信念のもとにきっと書かれたに違いないというところでございます。
サラバ!の一人称の語り手のあゆむくんは、いつも心に綺麗なサラバ!
(然あらば、ということ。つまり自然の理に対してものすげえ沿っている感じ。森羅万象に対する人間の謙虚さ、達観諦観、色即是空な感じ)
を、
持っている事を忘れちゃうんです。
たぶんね。
この、忘れる、っていうのが重要で、
ほぼ日々何かを忘れて暮らしている訳ですけれども、
忘れずには暮らせないのですけども、
ある日、はっ!と、
思い出すことありますよね。
人は、必要な時にそれを思い出せるような人生を、
誰もが絶対に送っているのだと、
おいらは思っているのでございます。
そういった希望の物語がサラバ!でございまして、
漁港の肉子ちゃんは、もう、音楽のように、映画のように素晴らしすぎて、
あまりにも言葉もなくオススメ。