ラファ先生が38センチを飲んで出す
お久しぶりでございます。
ええ、私はこの2月にラファ先生に過去最大の迷惑をおかけしておりました。
ラファ先生はクールな猫でございますので、あたくしがおらずとも留守モッティ先生がいれば、1日半くらい全然お留守番ができるのでございます。
なので、調子にのって毎年恒例である、昨年ラファ先生に出会った街でもある広島へ一泊旅行へ旅立った時に悲劇は起きたのでございました。
後で猫マスターのゆみちゃんに聞いたんだけど、人間の1日は猫とって10日であると。
つまり、15日は余裕でお留守番が可能なラファ先生は、20日はダメだったということでございます。
そりゃそうだわ。
ラファ先生はあたしが広島から帰った時には、とにかくあちこち吐き散らしていたのでございます。
その時は原因が全くわからなかった為、あたしも死にそうになりながら緊急病院に電話をし、電話の向こうの事務の女の子の「症状を言われてもわからないので、来るか来ないかはそちらの判断になりまして、来ればレントゲンと血液検査をしますので三万円。深夜12時を過ぎれば1時間ごとに千円追加です」といった脱毛の施術コースの説明かみたいな事を淡々と言うので、まず電話は切りました。
ラファ先生の症状としては、あたしが二日酔いの時とまったく同じように、「水を飲んでは吐く」といったことを繰り返し、ふらふらになりながら吐いている状態でしたので、水を下げました。そして、1時間ごとに少量の水に糖分を混ぜたものを注射器で飲ませ、脱水を少しでも緩和させようと試みました。
その後、ラファ先生は気持ちが悪い時の常で、寒いところ寒いところへ行こうとし、ベッドの下にもぐり込み、本当はそっとしてあげるのがいいのかわからないが寒いのは絶対によくないと思い、無理矢理ベッドの下から出して暖かい布の上に乗せ、しかし同時にあんまり温度を上げては脱水になるかもと部屋の温度を26度に設定し加湿を強めにいたしました。
そして、ほとんど寝ずに朝を迎え、かかりつけの先生に震える声で症状を訴え早い時間に病院を開けていただいたのでございます。
血液検査・レントゲン・エコーで内臓には異常が無いことがわかり、バリウムを飲むことになったラファ先生。バリウムって!!といったあたしの心の叫びが例によって顔に出ていた為、先生は「フルーツ味の透明のもので人間用のとは全く違うから安心してください」と優しい声で言って下さり、あたしは「は、はい」と言いながらも、「うちの先生、フルーツ食わんけどな・・」と、動揺しつつもちょっと思っていた訳でございます。
その後ラファ先生は病院預かりとなり、半日経過を見たところ「胃に何かがあるみたいです。それが腸への流れを妨げていて、同時に吐き気を誘引しています」とのこと。
その日は入院し、翌日内視鏡で先生が引っ張り出して下さったのは、38センチの毛糸でございました。
ラファ先生に全身麻酔をし、内視鏡を入れて毛糸を引っ張り出す動画を見せていただきましたが、もう、ラファは死んだように横たわっておしりからはバリウムが出てしまっており、口には開口器具の枷をはめられ、本当にかわいそうでございました。
入院中、あたたかいゲージに入れてもらっていたんですが、うちの先生はどちらかといえば涼しいのが好きだということをちらっと言っただけで帰ってきてしまった為、10時過ぎにまた病院へ電話をし、
「あ、あの、せんせ・・いや、ラファなんですけど、暑いのがあまり好きではなく、あの、暑がりでありますが大変我慢強い猫の為、ええと、、」
と訴えたところ、よくわかっていらっしゃるスタッフさんが電話に出てくださったので、
「はい。大丈夫ですよ。ラファちゃんは我慢しちゃってあまり顔に出さないタイプですから、気をつけて見てますね」
と言ってくださって、「そう、そういうタイプなんです!!」と心で思いながら「本当に遅くに電話してしまってすみません。ラファをよろしくお願いします」と言って、その日あたしは死んだように寝たのでした。(たぶんラファも疲れて寝たと思う)
翌日、仕事を1時間はやく上がらせていただき、ラファを受け取ったのですが、やはり全然ごはんを食べなくてですね、お水をまたもや注射器であげつつ朝を迎え、翌日はお仕事を休ませていただいたのでございます。
で、再びラファは病院で検査を受け、点滴をし、吐き止めの薬を入れてもらって帰ってきてもごはんを食べず、ただその翌朝ですね、ラファ先生がレタスと同じくらい愛しているコーヒーフラッシュっていうの? あのポーションになっているミルクを装った油。あれを、半分くらい舐めたのね。
やっぱり、大好きなものがあるってことは、命を救うよね。
油でカロリー高い為、ラファはそれでだいぶ元気になったみたいでしたが、またふらついており、でもあたしは仕事へ行かねばならず、泣く泣く家を出たのでございました。
そして、お昼にメールチェックをしたところ、朝の8時からうちにラファの様子を見に来てくれた猫マスターのゆみちゃんから、
「あたしがぽんさん家に着いたら、ごはんぼりぼり食ってたよー。あたしの顔見ても、ああ来たのって感じで平気で食べ続けてたー。ラッコたん心広いな」
といった、なんだかこう、気の抜けるメールが来ておりまして、あたしもそういえば何も食ってない為、お昼をもりもり食いました。
今回もね、勿論あたしが100%悪いのでございます。
いつもよりお留守番仕事時間が長かったラファ先生は、今まで決してしなかったようなこと、つまり「食べ物でないものを飲み込む」ということをしちゃう程、実は怒っていたのでございます。
あたしが毛糸で会社のイベントで使う小物を創作していた際に、確かにラファ先生はめっちゃ興味シンシンでベロベロ舐めていたんだけど、今までとにかくごはん以外絶対に食べない猫だったので、安心していたのよね。
でもやはり、あたしがあまりに帰って来ないので、
「くそー! ぽんぽんめ!! これでも飲んでやる!!!!」
と青い毛糸を38センチ程ヤケ飲みした訳ですよ。
ごめん!!!!!
本当にごめん、ラファ先生!!!!!!!
広島行く前から、いろいろ忙しく、帰宅も遅く、あまりラファ先生と触れ合う時間が無かったのは確かでございました。
でも、先生ってば超かっこいいクールガイだから(王妃だけど)、あたしなどいなくてもあまり問題ないだろうごはんあれば、ということで甘えていたのでございますよ。
そういえば、確かにスリッパにくまちゃんのせたりして訴えてたもんな。消極的に。
幸い、ラファ先生は助かりましたけれども、毛糸等紐状のものは猫がよく飲んでしまいがちのもので、腸に入り込むと収縮して帳を断絶してしまうこともある恐ろしいものであると先生がおっしゃっていました。
ラファ先生が助かったのも、本当にラッキーだった訳でございます。
病院から帰って来て疲れ果てて目をつむるラファ先生。
今後、仕事がまた忙しくなり、はやく帰れなくなるため、休みの日はずっとラファ先生と一緒にいてあげたいと思います。
なんというか、ありがいことに、事件後王妃は明らかに甘えん坊となる時間帯が発生し、大変に不謹慎ながらも嬉しいなあと思っちゃってるあたしは、本当に罪深い人間なのでございます。
ラファを助けて下さって、本当にありがとうございます。
また、今回当日休をとってご迷惑をおかけした職場の皆様が、本当に暖かい言葉で心配してくださり、仕事はまかせとけ!と力強い言葉を下さり、本当にありがたかったです。
ねこは、税金も収めていない社会的立場的にただのねこですが、それでもあたしにとっては大切な家族でございますので、今回、心から、職場の皆様に感謝申し上げたいと存じます。
所長も、今回の件ご心配いただき、ここんとこブログ更新してないの?とここまで覗いてくださり、本当に本当にありがとうございました。
そして、死にそうなあたしを励ましてくれたニパー会のみなさま、初日に一緒にて「一二三食堂でごはん食べるとぽんちゃん元気になると思うんだけど、これから行ってみようか」と的確に提案してくれたさなえちゃん、うちのお母やんも泣き声で感謝しておりました。ほんと、いつもありがとうね。
そして、遠くから来てくれたゆみちゃんも、いつありがとうございます!!
まったく、出会って20年くらい、ゆみちゃんにはお世話になりっぱなしだよ。
ヒグマ的猫のくちゃぽんにいつかお会いしたい。
なんか、オスカーの授賞式くらいサンクスの嵐だけども、レッドカーペット歩くのと同じくらい今回あたし、ハッピーだわ。
こんなあたしでございますのに、みなさま、本当に、ありがとう。